レイヴァルト家

不定期更新。ネタバレ&妄想だらけなので閲覧の際はご注意を...

陛下の気の迷い…?






※この記事はネタバレを含みます。
ハッキリした年号などは書きませんが、初期国民の死亡後の話です。









とある休日の朝。
俺の家である騎士隊長居室にジェイソン陛下が訪ねてきた。


「ジュリ、邪魔するよ。」

「朝早くからどうしたんですか?」

俺は陛下をリビングに招き、ソファに掛けてもらう。軽い朝食の用意をしながら、陛下と話をする。

「家が近いから つい、寄ってしまってね...」

たしかに陛下と俺の家はすごく近い。もしもの時は騎士隊長が陛下を守らなければいけないからな...
でも家が近いからという理由で来たようには見えない。何やら悩んでそうな表情...

「陛下、朝ご飯食べました?」

「いや、まだなんだ。」

「お口に合うか分かりませんがどうぞ...」

そう言って俺はベリータルトとイム茶をテーブルに置いた。

「ありがとう、美味しそうだ...」

俺も朝食がまだだったので 陛下と同じものを食べることにした。


…………暫しの沈黙。


「ジュリは料理上手なんだね、美味しいよ。」

「それは良かったです。」

「料理はよくするの?」

「はい、俺 甘いものが好きなんで よくお菓子を作ってます。」

「ぷっ...!」

陛下はイム茶を飲んでいたところを噴き出しそうになり、慌てていた。
うん、俺が甘いもの好きでお菓子作ってるとか意外すぎてよく笑われる。慣れてるさ...

「ごめん、笑ったりして。
いつもクールなジュリからは想像出来なくてね。」

陛下の表情が少し明るくなったように見えて俺は安心した。でも悩みは解決してないよな...

「何か俺に話があったんじゃないんですか?」


その一言で明るくなったと思われた表情はまた曇ってしまった。...聞かなきゃよかったかな。


「実はね...

「妻を亡くしてから寂しくて...
何をしてても満たされなくて」

「抜け殻のようになってしまってさ...」


陛下の奥さん、レナさんはつい先日亡くなったばかりだ。あまり接点はなかったけど、突然の死に俺もショックだった...

「たしかに...奥さんが亡くなってから毎日元気ないですもんね。」

無理もない。俺だってステファニーがいなくなる...って考えるだけでも気が狂いそうだ。そんなこと考えたくもない。

しかし俺は色々想像してしまって 気持ちがどよーんとしてきた。ダメだ、考えるのはやめよう!

そう思ってたとき……


「あのさ、ジュリ...」


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「誰かいい人いたら紹介してくれない?」


「...えっ?!!」


いやいや…陛下はまだ奥さんを亡くして間もないはず…なのに何故?
俺は陛下のとんでもない発言に戸惑ってしまう。


「…ごめん、今のは忘れてくれ。」


「他の女性を好きになったら この寂しさは少しくらい紛れるかと思ったんだけど…」

「胸にぽっかり開いた穴はそんなことでは塞げないだろうね…」


そう話す陛下は何だか物凄く寂しそうで泣きそうな顔をしていた。この国の王という風格は全く無くて 俺は心配だった。

俺にも陛下の心に開いた穴は塞げないだろうけど せめてこれからも親友であり続けたいと思った。
一緒に食事したり探索したり…

それに俺には陛下の寂しさはまだ分からない。
愛する妻、子供がいて…生きている。


「俺でよければ またいつでも話聞きますよ。」

「国王と騎士隊長っていう関係だけじゃなくて
俺達は親友ですから。
陛下の力になりたい。」


「家もすぐそこだし、陛下が寂しかったら泊まりに行きますよ(笑)」


陛下はいつもの優しい笑顔を浮かべて

「ありがとう…」

と、答えた。
















(陛下にのみ敬語で話すジュリ。ゲームではタメ口でしたが、それだと何だか締まりがないのでw
陛下のこの発言には本当に驚かされました…そこから色々妄想しまして、上記の話が生まれました。妻を亡くして、広い王家の居室に一人ぼっち…寂しいに決まってる。
ジュリは親友として支えになれたかなぁ…)